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椅子の仕立て学 Vol.1 : ウレタンが変える座り心地

 


こんにちは。高山です。

椅子の仕立て学という大仰なタイトルにしましたが、第一弾は「ウレタン」です。

通常見えない部分ですが、写真と共に解説させていただきます。

椅子リペアで見直す、本当の座り心地

― ウレタン素材の違いが、快適さと耐久性を決める ―

既製品の椅子の修理のために開けてみると、驚くほど柔らかいウレタンが使われていることがあります。

一見「座り心地が良い」と感じる柔らかさですが、内部を見ればその多くが低密度で劣化の早い素材です。

見えない部分だからこそ、コストダウンの対象になってしまうのが現実です。

 

しかし、座り心地は年齢や体格によっても変化します。

若い頃にはやわらかく感じるものが、年齢を重ねると沈み込みすぎて疲れやすく感じることもあります。

特にご年配の多くは、しっかりと支えてくれる「やや硬めの座面」が好まれます。

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座り心地が良くないとのことで、新規にウレタン交換をした際の使用済みのウレタンです。

中央が大きく窪んでいます。5cmのウレタンを2枚重ねているものでした。

密度が低く、スポンジのようです。

このように、張り地よりも先にウレタンの劣化が限界に来ることがほとんどです。


ウレタン交換は、“性能向上のカスタム”

ウレタン交換は、修理/リペアというよりカスタムだと考えています。

材質・密度・層構成が肝になってくるからです。

ただ古くなった部分を直すのではなく、座り心地を再設計するという発想です。

使う人の体格や用途に合わせてウレタンを選び、

新品よりも長持ちし、より快適に使える椅子を目指しています。

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豊富に存在するウレタンの材料ですが、こちらは一例となります。

左がチップウレタン(混合/粉砕 再生ウレタン・硬質)で、主に下層を形成します。

反発力が強く、形が元に戻るという特徴があり、座圧を分散し、上層のウレタンが潰れるのを防ぎます。

ウレタンを長持ちさせるための縁の下の力持ちと言える存在です。

右が通常のウレタン。軟質になります。

軟質になる分、密度・硬さ・反発性が大事になってきます。

主にこれらを使用して層を構成していきます。

同じ10cmの厚みを作る場合でも、それぞれの厚みを調整して塩梅を調整します。

また、最上層にラバリーウレタン(ポリウレタンフォームにゴム成分を混合したもの。天然ゴムのような素材)を敷く場合もあります。


修理と新品、どちらが本当に“お得”か

「修理をするくらいなら新品を買う」という声もあります。

確かに価格だけ見れば、そう思えるかもしれません。

ですが、既製品の多くはウレタンの品質を落とすことで価格を抑えているため、

短期間で劣化し、座り心地が変わってしまうケースが少なくありません。

一方、我々のウレタン交換は、種類を選定し、内部構造の最適化に努めます。

一例ですが、二層のチップウレタンの中にどら焼きのあんこのように軟質のウレタンを入れて調整するケースもあります。

つまり、写真だと四層にしか見えないものも、真ん中にもう一層入れて調整することがあるのです。

このようにして層を作ることで、結果、長期間にわたって安定した座り心地が続きます。

新品よりも「長く使える椅子」に生まれ変わる。それが職人の手によるリペアの価値です。

長く使いたい椅子だからこそ、内部から見直す。

見えない部分にこそ、本当の違いがあります。

ティーズリビングは、横浜、川崎、東京都下、また葉山・逗子・横須賀・鎌倉・湘南エリアを中心に、個人・法人問わず、椅子の張り替えやテーブルの天板塗装はもちろんのこと、店舗内装、住宅にまつわることなど様々な形でお手伝いをさせていただいております。

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