荻窪 近衛文麿邸(荻外荘) 公開見学に行きました
急に訪れた冬に皆さま体調など崩しておりませんでしょうか?
先日12/19に改修工事を終えて一般公開が始まった、近衛文麿邸(荻外荘)に足を運んでみました。
この邸宅を設計したのは、築地本願寺を手掛けた伊藤忠太で、宮内省侍医頭などを務めた医師の別荘だったそうです。その後、近衛文麿に譲渡され、歴史上重要な会議がここで行われたそうです。
ネットから得た情報で近衛文麿元総理の生涯を簡単に振り返りますと、日中戦争から太平洋戦争まで激動の時代に、3度にわたって総理大臣を務めたのち、この自邸で服毒自殺により生涯を閉じました。
そして現在、この邸宅は杉並区により保存管理されています。
実は、邸宅の東側の一部は豊島区に移築されていましたが、今回の改修で戻され復元されたそうです。
その一部がこちらの車寄せがある玄関部分です。この玄関からは、一般見学者は入ることができませんが、内側からみることができます。
その復元された棟の応接室は、中国風で床にはタイルが敷かれています。
龍がデザインされたタイルと、窓ガラスのデザイン、格子天井に丸い天井絵が施された空間は中国風でもあり、和風でもあり…とてもエキゾチックで100年近くの時を経たとは思えないモダンさで驚かされます。
客間と食堂の壁に貼られているクロスの模様は、空想上の動物(聖獣?)柄で、上下に貼り分けられており、幻想的で圧倒されるようなしつらえです。
食堂の床はパーケットに組んだフローリングです。
食堂、客間を囲う広縁に設置された窓枠は幾何学デザイン。
邸宅のしつらえ全体に、中国・アジア大陸の文化や美意識が格調高く表現されているように感じました。
現代のインテリアに取り入れても素敵だと思える、100年たっても色あせることのない、伊藤忠太の設計デザインにとても惹きつけられました。
本年もたくさんの御客様とご縁をいただけた事に感謝しつつ、明年も皆様よりお声がけいただけるよう、
心からお待ち申し上げております。