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リソグラフをご存じですか?

 


こんにちは永上です。急に秋がきましたね…。

秋は「●●の秋」と表現されることが多いですが、皆様はどんな秋を楽しんでいらっしゃいますか?

私は先日、芸術の秋…を感じることができるワークショップに参加してみました。

今回参加したワークショップは「市ヶ谷の杜 本と活字館」という、大日本印刷の工場をリストアし、印刷出版技術の保存展示、また印刷にかかわる展示会などを行っている施設で開催されたものです。

皆さんは、リソグラフというものをご存じですか?

機械を使った「現代の浮世絵」と想像していただくとわかりやすいのですが…、昭和生まれの方にはなじみ深い、プリントゴッコを作った企業「理想科学工業」が開発した孔版印刷機を使って印刷する表現方法です。

この印刷機は、学校のプリントやスーパーのチラシなど、きっと誰もが一度は目にしているであろう印刷物に使われています。

ワークショップで学んだ孔版印刷機の仕組みを簡単に説明すると…機械の中にあるインクは2色のみ。1色に付き1版が必要。2枚の版を重ねることで混色を楽しんだり、1色づつ刷るためにおこる印刷ずれなど、機械なのに人が手で刷ったような、あたたかみある仕上がりになる…そんなユニークな印刷機です。

今回のワークショップは、この印刷機を使って10月のカレンダーを作ります。作品テーマが決まっており今回は「石庭」。

使用できるインク色は、赤と青。また、Albatro Designさんという印刷デザインスタジオがデザインした青インク用の版が参加者全員に与えられています。参加者は赤インク用の版を作成していきます。

 

あらかじめ、スタッフさんが用意してくれた、直線やカーブの線が引かれた正方形の紙を、版となるフレーム用紙に糊で貼り付けて作成していきます。

 

 

 

石庭の砂紋をイメージして組まれた青の版との重なりを考えながら、あーでもないこーでもないと手を動かすこと40分。ようやく赤の版ができました。左が私が作った赤の版。青や緑の〇シールは、赤で印刷された場合どんな表現になるのか…そんな実験も入れてみました。そして右がAlbatro Designさんの青の版。

出来た版をコピーのように印刷機で読み込んで印刷していきます。

印刷する用紙は6色。青と赤が用紙の色と混ざったときに、どんな発色をするのか…

2つの版が重なったときに、細い直線やカーブの線がどんな柄を生み出してくるのか…わくわくしてしまいます。

出来たカレンダーがこちら。線と線、カーブとカーブが重なることで、思いもよらない柄が現れたり、用紙のカラーと合わさったときの赤や青の発色…。何かを作るって楽しい!と、改めて感じた一日でした。

この建物の保存リストア方法も大変ドラマチックで、近いうちに施設ツアーにも参加したいな…と思っています。

当時の印刷機と活字が入った棚

また、様々なワークショップが定期的に開催されており、興味が尽きません。

 

一年の中でも一番過ごしやすい季節、皆さんも「●●の秋!」存分に満喫してください。